ZARD

New Single
「ハートに火をつけて」

2006.5.10 Release


およそ2カ月という短いスパンでZARDの新作「ハートに火をつけて」が発表された。ZARD作品の変わらぬ良さをベースに、新しい試みがふんだんに盛り込まれた今作。一聴しただけでも、細部に渡るこだわりが感じられる秀作だ。作品に対するヴォーカル、ディレクション、そして作詞など坂井泉水のこだわりは、本誌でも幾度となくご紹介してきたが、実際どんな風に制作が進められているのか? きっと読者の皆さんも気になるところだろう。そこで、今回は「ハートに火をつけて」の制作担当者にお話を聞いてみた。

ZARDの42枚目のシングル「ハートに火をつけて」が5月10日にリリースされました。
3月にリリースされた41th sg「悲しいほど貴方が好き」が、切なくてしっとりとした世界観を持っていたのに比べると、今作は初夏にふさわしく、テンポ感もあり、爽やかで明るくて軽快でポップな仕上がりとなっています。

この「ハートに火をつけて」はTBS系ドラマ・愛の劇場「すてきにコモン!」主題歌になっています。ちなみに41th sg「悲しいほど貴方が好き」は、読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ、41th sgの両A面のもう1曲「カラッといこう!」は、フジテレビ系「めざましどようび」のテーマソングとして既にお馴染みのナンバーとなっています。つまりZARDは、今年になってから色々なシーンに登場、オンエアされている事になります。
その流れの中で、「ハートに火をつけて」を作成する際、坂井泉水さんと相談していたら、次の提案がありました。「例えばアレンジを超大作なイメージで進めてみませんか? また、ドラムの音色・グルーヴを、もっと新しい感じにしてみたい」「間奏のコード進行はもっとこんな感じはいかがですか?」

実は、この曲は1番だけでも2分以上あり、普通に2番を付けるとすごく長くなってしまいます。「超大作」というのは、変化に乏しくなりそうな事からの脱却でした。つまり、普通に2番を持ってくるのではなく、もっと変化を持たせて、色々な遊び心で試し、サイズも通常と異なる形にしたもの、という事です。
サイズだけでも色々試し、最後は坂井さんがスタジオでサイズEditして、アレンジャーの葉山たけしさんに伝えました。葉山さんも、こうした坂井さんの積極的な方法に大賛成してくれ、その部分はそのまま使用しています。
ZARD作品と言えば、サウンドと共にやはり気になるのは歌詞でしょう。今回の世界観は、「いつも今が最高と思いたい」というのがキーワードになっているそうです。是非歌詞の方も、噛みしめながら聴いて頂きたいなと思います。

そして3曲目には、この曲のピアノ・インストゥルメンタル・ヴァージョンも収録しています。
DIMENSIONのキーボード小野塚晃さんによるピアノ演奏です。A面では、明るくて軽快なイメージも強いのですが、ピアノ・インストゥルメンタル・ヴァージョンを聴くと、この曲は普遍的で美しく雄大なメロディなんだという事に、改めて気付かされます。
また2曲目の「君へのブルース」は、坂井泉水さんの通算4作目の作曲作品です。コード進行やメロディはブルースですが、A面と同じような新しいグルーヴを出す事によって、斬新な感じになりました。

ZARDの42枚目のシングル「ハートに火をつけて」を紹介しようと思ったら、まだまだ語る事は沢山ありますが、これくらいにしておきます……。
あとは皆さんが実際に聴いて、歌の世界、音の世界に思いを馳せ巡らせて下されば幸いです。
(TEXT BY HIROSHI TERAO)


ZARD

New Single
「ハートに火をつけて」

2006.5.10 Release


B-Gram Records
JBCJ-6008/9 ¥1,050(tax in)