B'z

New Album
『MONSTER』

2006.6.28 Release


オリジナル・フルアルバムとしては、15枚目となる新作『MONSTER』が遂に完成!!  明快なアップ・テンポのロック・チューン「衝動」、スケール感のあるミディアム・ナンバー「ゆるぎないものひとつ」、型破りな躍動と開放を体現出来るアッパー・チューン「SPLASH!」と、2006年初めからリリースされた3枚のシングルで、変幻自在なサウンドとリリックで駆け抜けてきたB'z。その先に登場した、最新アルバム『MONSTER』は、よりバラエティに富んだ楽曲がバランス良く配置された、まさに、モンスター級のポップロック作!!

★大ヒットシングル「衝動」・「OCEAN」は、リミックス新ヴァ−ジョンで収録★
アルバム全編、06年からレコーディングで組んできた、リンキンパーク、エヴァネッセンス等の作品等を手掛けたジェイ・バウムガードナーがミックスを担当し、マスタリングは、ニューヨークSterling Soundのチーフマスタリングエンジニアで、ノラ・ジョ−ンズのアルバムでグラミー賞を授賞した、テッド・ジャンセンが手掛けており、世界最高峰の制作布陣で完成されました!!


B'z NEW ALBUM 『MONSTER』 CROSS REVIEW

 前作から1年と2ヶ月、通算15作目となるオリジナル・アルバム『MONSTER』を一聴して感じたのは、まだまだB'zの音楽はどんどん自由になっていくんだな、という事。前作『THE CIRCLE』がどちらかというと全編哲学的ストイシズムに貫かれ、内なる彼らのスピリットを描き出したヘヴィ&ハードなアルバムだったのに対し、今作では全14曲中に今までのB'zのあらゆる音楽性……ロック、ポップでキャッチーなサウンド、叙情的なナンバー、バラード、ブルーズ……ドラマティックでもありかつ繊細でもある両面の魅力が惜しげもなく投入され、リスナーに向かって放出されている。
 聴き進む内に次々と現れる変幻自在なサウンド、メロディ、アレンジ、加えて歌も歌詞もギターの音色も、多彩なそのミクスチャー感は以前にも増して強力だ。しかし、どの曲をとっても紛れもないB'zサウンドであるという確かな手応え、そこに、このタイトルの真意が込められているような気がするのだ。つまり、このアルバムには、“何をしても松本&稲葉が作り出した音楽は、B'zの音になる”という信念が宿っている。それこそがきらびやかなるロック伝説を彩る名盤を創り出した原動力である。まさしく、本年度ロック・アルバムの本命たる1枚だ。(斉田才)

 それにしてもなんて楽しいアルバムなんだろう。理屈抜きでアルバム全体に、本来音楽が持っている人の心をときめかせるパワーがみなぎっている。まさに長年キャリアを培ってきたB'zだからこそなし得た、完成度の高い“POP”な内容に仕上がっている。(ここで言う“POP”とはジャンルに捕われない、自由な音楽の意味)それぞれの曲を取り出してみると、同じB'zの曲?と思う程様々なタイプのサウンドが並んでいるのだけれど、アルバム全編には一本筋の通った、それこそあらゆるジャンルの音楽ファンが虜になってしまう、躍動感に満ちたサウンドが詰まっている。
 松本の細部にまで隅々と行き渡ったサウンド・メイク。ギター・キッズが思わず飛びつきそうなフレーズは勿論、テンポの良いきめ細かなカッティング、そしてずっしりと腹に響くディストーションの効いたパワー・ストローク、緻密に組み立てられた上で流れるような感動を呼ぶギター・ソロが随所に冴え渡っている。サウンド面で様々な工夫がありつつも、シンプルで親しみやすい、アコギ1本でもみんなで歌える、シンプルなメロディも秀逸だ。
 アイディアに溢れ、迷いが全く感じられない、全14曲トータルにして約60分、曲順、曲間も完璧だ。決して短いとは言えないが、その多彩なサウンドの波状攻撃に、最初から最後まで、息つく間もなく一気に聴いてしまうだろう。ミュージック・シーンのMONSTER=松本孝弘&稲葉浩志が、その音楽性の幅の広さを惜しげもなく披露した、流行や時代に決して左右されない永久不滅の傑作アルバムだ。(ペリー今村)

   B'zの音楽が、本人達の意志に関係なく果たしている大きな役割の1つとして、ロックミュージックを大衆音楽として聴かせている事が挙げられると思う。そして、その要因に稲葉浩志の書く歌詞の存在も大きい。大衆と呼ぶ程多くの人に響く言葉……それは15枚目のオリジナル・アルバムとなる新作『MONSTER』では、特にストレートだった。あらゆる欲望が渦巻く“人間”というものを、リアルに容赦なく描き、リスナーの心が抱える様々な状況や感情へと無限に重なっていく。隠しておきたい不安、本当は言いたくない強がり、理由なき空しさ……そういった人間の本質は叩き起こされ、無自覚ではいられなくなる。小さな喜び、言葉に出来ない感謝、ほのかな恋心……それらの大切さに改めて気付かされ、愛しくなる。そして沸き上がってくるのは“人間で良かった”という事だった。ちっぽけで、不器用な存在かもしれないが、人間って素晴らしい。例え、心の中に“MONSTER”を飼っていたとしても。  そんな言葉が、メロディやリズムと溶け合い綴られる『MONSTER』。ここから見えるもの、考える事は計り知れない。さらに言えば、痛さや苦しみもある。でも、だからこそ大衆が聴くべき1枚なのだ。(山田純子)


B'z

New Album
『MONSTER』

2006.6.28 Release


VERMILLION RECORDS
BMCV-8018 ¥3,059(tax in)