アンナケイ

New Album『Tsuki』

2007.6.6 Release


昨年の9月にオリジナル・アルバム『Annekei』で日本デビューを果たした、N.Y在住のシンガー・ソングライター アンナケイが、2ndアルバム『Tsuki』をリリースした。今作はプロデューサーにDIMENSIONの増崎孝司を迎え、同じく勝田一樹、小野塚晃、そしてベーシストに世界トップ・クラスのクリス・ミン・ドーキーとベニー・リートベルトというプロフェッショナルが集結した、クオリティの高い作品になっている。日本が大好きで、日本語での表現にこだわってみたと話す彼女に、今作について早速話を聞いてみた。

●アンナケイさんは音楽家の中で育ったそうですが、ミュージシャンになろうと思ったきっかけは?
アンナケイ:私はいつも周りに音楽がある環境で育ったので、音楽は私の一部でした。両親は大の音楽好きで、気に入った楽器のレッスンを受けさせてくれたし、音楽が楽しいという気持ちを教えてくれました。今まで応援してくれた両親の愛情は、想像出来ない程だと思います。音楽の勉強だけでなく、人々が元気になれる力として音楽を理解する事が出来る様になったのも、両親のお陰だし、すごく感謝しています。

●1stアルバム『Annekei』、そしてニュー・アルバム『Tsuki』で、全曲の作詞・作曲を手懸けていらっしゃいますが、ご自身で作詞・作曲をする様になったのはいつ頃からですか?
アンナケイ:私が初めて曲を書いたのは、13歳の頃でした。曲を書こう!と決めて書いたのではなく、離れて暮らす兄弟を少しでもほっとさせようと書いてみた曲でした。その曲はピアノで作ったもので、“Escape from depression”と名付けました。それ以来ずっと、成長と共に、私は自分の経験と気持ちを基に曲を作ってきたので、皆が抱えている色んな気持ちを自分の事の様に感じたり、理解出来る様になった事は、沢山の曲を書く力になっていると思います。

●作詞と作曲、作業的にはどちらが好きですか? その理由も教えて下さい。
アンナケイ:私はいつも、詞と曲を同時に書きます。詞と曲が一緒に生まれてくるので。ただ特別な感情がある時は、やっぱり言葉と音楽が同時に出てくるし……、状況によって違うので、言葉で説明するのは難しいですね。例えば、1stアルバムで日本の詩“四季”に音楽をのせる時であったり、プロデューサーやDJからトラックをもらった時は、実際に今ある素材の中に自分を置いてみて、今までの経験と繋ぎ合わせながら曲を作っていきます。メロディは歌詞で表現したい事が伝わり易いもの、同じく歌詞はメロディの雰囲気を分かり易くするものにする様にしています。

●ニュー・アルバム『Tsuki』は、どんな作品にしたいと思って作られたのでしょうか?
アンナケイ:『Tsuki』を作る事は、私にとって素晴らしい経験になりました! この作品を作る最大の目的は、出来る限り私の正直な気持ちを、作品を通して伝える事でした。だから皆が私の音楽についてどう思っているのかを知る事は、私を成長させ、次のステップへ向かう勇気をくれます。アルバムの各々の曲には色々なストーリーがあって、私の弱点、強さ、恐れ、夢などを表現しています。今回の作品ではミュージシャンとして、それぞれの曲の雰囲気に合った音作りをする事が出来ました。それはこの作品で目指したもう1つの目標で、出来る限り生の管弦楽を多く使う事でした。

●タイトル曲にもなっている「Tsuki」の由来も教えて下さい。
アンナケイ:私は彼等と一緒に仕事をする事が出来て、とても幸せです。タカ(増崎孝司さん)、カズ(勝田一樹さん)、、アキラ(小野塚晃さん)は本当に最初の頃から私をサポートしてくれて、とても感謝しています。日本で今までと違う事に挑戦しようとした時や、新人としてスタートする事は簡単ではなかったのですが、彼らはとてもあたたかく、そして真剣にアルバムのサウンド・プロデュースに協力してくれました。中でもタカは日本で最も親しい私の音楽パートナーであり、彼の心と耳は自分の感覚と近くて、とても信頼しています。私の傍に彼がいてくれる事は、本当に幸せな事です。彼は両方のアルバムに参加し、ライヴでも私と一緒に演奏してくれました。彼は音楽家、そしてパートナーとして私を応援し、ライヴのサポートもしてくれました。それから、『Tsuki』のプロデューサーとして、彼は全ての音作りに参加してくれました。ほとんどの楽器を全てを演奏してくれた事は、私にとって忘れられない出来事の1つです。そして私達は沢山の喜びを分かち合いました。私が「At Home」においてごみ箱カンを演奏した事も、新しい発見になりました(笑)。どうしてもそのクールなサウンドを入れたかったので……。これは内緒にしておいて下さい(笑)

〈クリス・ミン・ドーキー〉
私はやっとクリスと一緒に演奏する事が出来て、とても嬉しかったです! 彼はニューヨークにいたこの5年間、私の友人であり、良き指導者でした。実は私が高校の時に彼のレコードを聴いてから、ずっと大ファンだったんです。私達はとても似た生活をしてきました。互いにデンマーク出身、単身でニューヨークに引っ越してから苦しい生活を送り、すごく一生懸命働いてきました。それぞれの情熱の為に頑張って生活をしていた私達は、運命かの様に一緒の場所へと引き寄せられ、一緒に仕事をする様になりました。この作品に彼が参加してくれた事は、私にとって大きなステップと刺激になっています。ツアーに彼が参加してくれるなんて、本当に驚きました!! 〈ベニー・リートベルト〉
私は約1年前ベニーに会いました。サンタナと一緒に彼が演奏しているのを聴いた時は、椅子から転げ落ちそうになり、私は彼と一緒に仕事が出来るなんて、騙されているのではないかと思いました。彼が私の音楽的才能について同じものを感じたとお世辞を言っているのかなって(笑)。今彼はここニューヨークで、私の音楽を最も理解してくれるベース奏者になり、私達は一緒にライヴをしています。彼は今年の1月、ツアーとレコーディングの為に私をサンフランシスコに連れてってくれました。その時私は、彼から沢山のアドバイスをもらいました。いつも彼が話す事、する事の中心には音楽に対する深い愛情があるので、聴いていてとても分かり易いです。彼が1回ベースをかき鳴らすと、月と太陽と星、全ての輝きが見えるのよ!

●前作に引き続き、タイトル・ナンバーの「Tsuki」の他に、「Arigato Gozaimasu」や「Towani」といった日本語のタイトル曲が収録されていますが、これらはどんな思いでタイトルを付けられたのでしょうか?
アンナケイ:私はプロモーション・ツアーで日本に来た時、「Tsuki」を書こうと思いました。私は箱根で最も美しい満月を見てから、どうしてもこの感動を歌にしたくて、「Tsuki」の制作に取りかかりました。だから日本語のタイトルなんです! 「Arigato Gozaimasu」は、日本の皆に“歓迎してくれてありがとう”、“聴いてくれてありがとう”という気持ちを伝えたかったので。だからもちろんタイトルは日本語です! 「Towani」に関しては、“Till the End”というオリジナル・タイトルがあったんです。でも、色々と日本語を学んでいく中で、タカが“Towani”という違った表現がある事を私に教えてくれました。“Towani”の意味は、とても美しいもので、“Till the End”というありふれた英単語より、とても深くて意味のある言葉でした。日本語が私の曲の魅力を表現してくれた事も、日本語のタイトルを選んだ理由の1つです。私は少しでも自由な時間があると、ここニューヨークで日本語のレッスンをしています。実は今、私が音楽の次に楽しみにしてる事なの! お寿司を食べる事もね(笑)。最近私はニューヨークの日本レストランに行くと、日本語で注文する様にしています。ウェイターは、いつもかなり驚いてるみたい!

●今作の中で、特にお気に入りの曲はありますか? 選んだ理由も教えて下さい。
アンナケイ:う〜ん、私はその質問には答えられません……。Gomen nasai! それぞれの歌で表現したい事も違うし、全てが私にとって特別なものだからです。あなたがあなたの子供達のどちらが好きか選べないのと同じでしょうね。だってそれらは、全部私自身を表現しているものだから。

●6月からは初のJAPANツアーとなりますが、どんなステージにしたいですか?
滴草:1人になってホッとしている時につくかな……(笑)。 “ため息をしたら幸せが逃げる”とか言いますよね。だから昔は、ため息をついた後にすぐ、その息を吸い込んでました(笑)。今はそんなに気にしないです。レコーディングでブースの中にいて、歌う前に気持ちを落ち着かせる為にため息をついたりしますね。

●最後にmusic freak magazine読者にメッセージをお願いします。
アンナケイ:Minnasan、aeruno wo tanoshimini shiteiru。Zehi、concert wo mini kite kudasai ne! Mattemasu  、私はあなたが2ndアルバム『Tsuki』を聴いて喜んでくれる事を願っています。また、私の音楽を一人でも多くの人に聴いてもらえたら嬉しいです! 敬具、アンナケイ

※アルバム全曲紹介は誌面にて!!


アンナケイ

New Album『Tsuki』

2007.6.6 Release


ZAIN RECORDS
ZACA-5002 ¥2,300(tax in)