note

New Single「I can fly」

2007.9.19 Release


7月にメジャー・デビューしたnoteが早くもニュー・シングル「I can fly」を9月19日にリリースする。この曲はTVK連続ドラマ「サンシャイン デイズ」の主題歌としてオンエア中のナンバー。1970年代の湘南を舞台にした青春グラフィティを描いたこのドラマに合う楽曲を作って欲しいと言う番組制作者側からの依頼受け、noteが作った楽曲でもある。夏の終わりの海の香りが漂うポップ・サウンドに、今の自分は大人になっているかと問い掛ける様な真田修壱の歌詞が胸を打つ1曲に仕上がっている。後に続く2曲も聴き所が満載。「心配ないぜ!!」は、どこまでも前向きな主人公を歌ったどっしりとしたロック・ナンバー、「TRAP」は楽曲の勢いが全面に出したアッパー・チューンと、前作とは違うnoteのサウンド・スタイルが楽しめる1枚になったと言えよう。今回のシングルについて、メンバーに話を聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)

●前回取材で既に次のシングルも決まっているという話を伺っていたのですが、それがこの「I can fly」なんですね。この曲はいつ頃作られたものだったんですか?
真田修壱(Vo/以下シュウ):この曲は、先にTVKの連続ドラマ「サンシャイン デイズ」というドラマの主題歌を作って欲しいという話を頂いて作った曲なんです。今回みたいに依頼を受けて作るのは初めてだったのと、実はこの曲がメジャー・デビューする事が決まってからレコーディングした第1弾の曲でもあったので、どういう風にレコーディングに臨めばいいか分からない状態だった事もあって、この時のテイクはとにかくみんなビクビクしながら演奏している雰囲気が詰まった曲になっています(笑)。今年の3月半ばにレコーディングしたんですけど、今の僕らが「I can fly」を演奏しても出せない空気があると思います。

●先にドラマ主題歌の話があって作られた曲という事は、歌詞もドラマの世界に近付けて書かれたと……。
シュウ:そうですね。だから歌詞も大人から見た若者の姿を書いています。歌詞の中で“I can fly=僕は飛べる”と言っているんですけど、主人公は“少し大人にはなったけど、は上手に飛べるようになっているかな?”と思いながら、今の若者達に自分の姿を重ねて“君も飛べるんだよ”と言ってあげたくなるという様な暖かい気持ちが詰まった曲になっています。

●レコーディングの時は、そんなに緊張されていたんですか?
シュウ:本当にビクビクしていて、この曲は自分達に向けて歌っている位な感じでした(笑)
石黒健晋(G/以下タカ):“メジャー・デビューが決まりました”という知らせを受けた後、すぐに「サンシャイン デイズ」の話があって、こういう感じの曲が欲しいと……。それでその10日後にはレコーディングしてました。
シュウ:曲を作る為にドラマの台本を読んだら、70年代の湘南の海が舞台で、主人公のアコースティック・デュオがそこでカフェを始めて、そこで起こる恋や青春の物語という感じの話だったんです。僕は曲の世界観を色付ける大切な歌詞を考えるのに時間が掛かる人間なんですけど、今回はドラマのイメージに近付ける様にしたいなと思ったので、歌詞を考えるのにもそんなに時間は掛かりませんでした。だから曲を作る事自体はすごく楽しかったですね。話を頂いてから3日後には曲が出来て、スタジオで1〜2回みんなで音を合わせて、その後レコーディングしたという感じです。スムーズに進んだ曲だし、作って行く作業も楽しかったんですけど、レコーディングの時は“どうしたらいいんだろう”という気持ちではありました。“これでいいんだよね…?”みたいな。

●皆さんもそんな感じだったんですか?
木村充伯(B/以下木村):そうでしたね。
タカ:最初は本当に勝手が分からなかったですから……。
シュウ:だからポップに仕上がっている気もします。もともとはそれが狙いでもあったんですけどね。この曲を作る時に70年代の音楽を色々聴いて、その年代の匂いも感じさせる様な楽曲にもしたかったんです。イントロの感じとかAメロの雰囲気は、昔のビーチっぽさが出ていると思うんですけど、その時代ではない今も同時に表わしたくて、現代の音楽も取り入れたというか……。それでも満足出来なくて、最後に“I can fly”という1番分かりやすい言葉を掲げたら、それが良いアンサンブルになったみたいです。70年代っぽい感じのAメロと、まさに今という感じのサビとのバランスがすごく気持ち良くて、今まで自分が作ってきた曲の中でも新しいタイプのものが出来たと思います。

●この曲を聴いた時、他のメンバーの方はどう思いましたか?
木村:メロディがしっかりしていたので、そこが分かりやすくて、みんなで歌える曲だなと思いました。

●演奏する時に心掛けた事はありますか?
シュウ:曲を作っていた時から潮の香りが漂う雰囲気を出す様に意識していましたから、それこの部分は演奏する時も気を付けましたね。あと、絶対にみんなが鼻歌で歌える様なものにしたかったので、すごく分かりやすいメロディにして、敢えて難しい事は言わず単純な言葉を乗せて、誰が歌詞を読んでも分かる、年齢を問わない歌詞にしました。僕は歌詞に英語を使う時、誰も分かるものしか使わないんです。“I can fly”っていう言葉もすごく分かりやすいものなので、それにしました。

●PV撮影もされたそうで……。
シュウ:PVは海で撮影したんですけど、海でこの曲を聴くとまたパワーが増すんですよ。海の雰囲気をイメージして作ったから、その場で聴くと違う感じになるというか……。僕、聴いていて“この曲、良い曲だね”って思わず言っちゃいましたもん(笑)。「オフェンス」は大地の広さ、「I can fly」は海の広さを表現しているという意味では、両方とも自然の事で繋がっていますね。僕自身、楽曲を作る時は自然系の事をリンクさせると考えやすかったりするので、曲が出来上がるのも早かったのかもしれません。それで曲をビーチっぽくしたから、歌詞の中では“海”という言葉を使わなくても伝わるだろうと思って、そうしました。絵本で言うところの、絵があるから文字にしないというか……。

●この曲がドラマの主題歌として流れていますが、どうですか?
シュウ:このヴァージョン以外にも、アカペラとかピアノとか、ギターでメロディを弾いたものとか、色々なヴァージョンで流れているんですよ。だからテレビを見た時はすごくビックリしました。不思議な感じではあったんですけど、ドラマはガッツリ見ちゃいました(笑)
タカ:“次、どうなるんだろう……”みたいな(笑)。自分達の曲が主題歌で流れるとなると、ちょっと恥ずかしいかなとか思ってたんですけど、ドラマに馴染んでて、普通に聴けました。

●ちなみに「I can fly」はライヴでは披露されましたか?
シュウ:最近やるようになりました。お客さんの反応も良くて、1回聴いただけで馴染んでくれるという感じです。

●「心配ないぜ!!」も1度聴いたら忘れないタイプの曲ですよね。
シュウ:「心配ないぜ!!」は、個人的に「I can fly」と両A面シングルでも良い位好きな曲なんですよ。この曲も聴いたら歌いたくなる曲だと思うんです。この前ビックリしたのが、4歳か5歳位の姪っ子が「心配ないぜ!!」のサビの部分を歌っていたんですよ。という事は覚えやすいって事ですよね? だからこの曲には不思議なパワーがあるんと思います。曲の内容はタイトルのままなんですけど、“ポジティヴ野郎”というタイトルでも構わない位です(笑)

●この曲はいつ頃作られたんですか?
シュウ:「心配ないぜ!!」は「I can fly」を作った後ですね。次の「TRAP」は「I can fly」と同じ時期に作りました。今回の3曲は内容の濃いなと思います。

●「心配ないぜ!!」はどういう事をテーマに歌詞を書かれたんですか?
シュウ:テーマは“自分の道を信じて歩いて行く”というものです。この曲では“虹”がキーワードになっています。虹って遠目から見えていても、実際にその場所にはないじゃないですか。そんな儚いものでも、俺は頭の上に虹がある事を信じて真すぐ歩くんだという歌ですね。この主人公は、虹が実在しなくても前に歩いて行っちゃう“ポジティヴ野郎”なんです(笑)。でもそれが良いというか……。曲の最後で“Over the rainbow”と歌っているんですけど、僕はあそこが大好きです。

●あの部分はすごく気持ち良さそうに歌っていますよね。
シュウ:歌詞の中に“Over the rainbow”という言葉を絶対に入れたかったので、サウンド・プロデューサーの方に相談して、最後の所に入れる事になったんですけど、それですごく良くなりました。コーラスが高かったんですけど、頑張りました。

●サウンドがどっしりした感じになっていますが、演奏する時にこだわった事はありましたか?
河合俊紀(Dr/以下トシ):これをレコーディングした時は、少しだけ作業の勝手が分かって来た頃で、個人的にはこうやったら良くなるかもっていうのが見えた時でした。自分の中の新しいロック感が開花した直後だったので、どっしりした感じという意味ではアメリカン・ロックを意識して叩いたというのはあるかもしれません。
シュウ:確かにリズムで曲の大きさが広がったかもしれませんね。最初、この曲は16ビート調のロックだったんですけど、サウンド・プロデューサーと話し合って、もっと広い感じを出す為に8ビートにしようという事になったんです。でもギターは8ビートにせずに16ビートを意識したまま弾いているので、それが良い感じにまとまって今の形になりました。
トシ:昔はシュウが出すリズムを全員でやって、もとのリズムを厚くするだけだったんですけど、「心配ないぜ!!」の頃からそれを一旦崩して、バンドで1つのサウンドを作って行くという形になって、バンドとしての曲の構築の仕方が変わったんですよね。一見、全員違う事をやっている様に思えるんだけど、トータルで見た時にバンドとしてのグルーヴが成立しているような音の作り方が出来る用になってきたのかなとは思います。

●「TRAP」はちょっと辛口な感じの歌詞が印象的な曲になっていますね。
シュウ:ロック色が強い曲に意味を持たせたくないというのが実はあって……。だからこの曲にも、単純に騙されたという歌詞を付けたという感じです。1番では単純に上手い話に騙されて、2番では騙される事に警戒していたら真実が見えなくって、それでも信じたものを開けたら空っぽだったという……。これはギャグです。

●音もすごく太くて、まさにロックという感じですね。
シュウ:この曲はモロに16ビートのリズムの曲なので、演奏していてすごく楽しいです。この曲は最近のライヴではずっとやっています。ライヴを見た人は、このシングルで「TRAP」の歌詞を確認してもらいたいですね。

●こういう風に勢いで作った曲は他にもあるんですか?
シュウ:ありますね。歌詞の世界観も同じ感じです。

●周期的にそういう曲が作りたくなったりする事もあるんでしょうか?
シュウ:そういう曲はいつでも作りたいですけどね。僕らのスタジオ作業って、僕が持って来た曲をみんなでアレンジしていくんですけど、そこでもやりたい曲を順番にやっていく感じなんです。そういや、最近はバラードをあまりやっていないですね。でも昔、バラードはたくさん書いたので、曲はあります(笑)

●今も引き続き制作作業をしているんですか?
シュウ:はい。もうすぐ次のシングルのレコーディングがありますね。また、今までのものとは違う感じのものになっているので、楽しみにしていて下さい。


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New Single「I can fly」

2007.9.19 Release


ZAIn RECORDS
ZACL-4007 ¥1,260(tax in)