倉木麻衣

両A面・New Single
「Silent love 〜open my heart〜
/BE WITH U」

2007.11.28 Release


前作「Season of love」発表後の倉木麻衣の活動の広がりは、目をみはるものがあった。6月には「A3 CHAMPION CUP 2007」公式テーマ・ソングを手掛け、中国でのオープニング・イベントでは書き下ろしの新曲を披露、台湾では「金曲奨」に出演しプレゼンターも務めた。9月に行われた韓国のイベント「2007・アジアソング・フェスティバル」に出演し、日本代表として歌声を披露したのは記憶に新しい。その他にもライヴDVDの発売、そして日本でのファンクラブ・イベントやキャンパス・ライヴの敢行と、息付く間もない状態で駆け抜けてきた彼女が、11月28日に両A面シングル「Silent love 〜open my heart〜/BE WITH U」をリリースする。柔らかいサウンドに乗せてしっとりと歌い上げる上品なウィンター・ソングの「Silent love 〜open my heart〜」と、海外での活動を通してみんなで1つになれる曲を作りたいという彼女の想いがしっかり詰まったアップテンポ・ナンバーの「BE WITH U」。一見対称的な2曲に思えるが、そこには“心の繋がり”という共通のキーワードが眠っていた。今回は今春から現在にかけてのアジアでの活動はもちろん、ニュー・シングルについての話を彼女に聞いてみた。(INTERVIEWED BY EMI MORI)

●前作「Season of love」のリリース後は、アジアに向けての活動や日本ではファンクラブ・イベントを行う等、作品以外の活動が主立っていましたね。
倉木麻衣(以下倉木):デビュー当時から台湾や中国からファンレターが届いていて、日本以外のアジアの国でも自分の音楽を好んで聴いて下さっている人がいるんだという事は知っていました。それでアジアで活動をしてみたいという思いはあったのですが、当時は大学生で学業を優先していた事もあって、海外での音楽活動にあまり時間を費やせなかったんです。その後、大学を卒業して音楽活動に専念出来る様になったので、今年はアジアでも活動していけたらなと思って進めていきました。自分にとっても中国、台湾、韓国に行くのは生まれて初めてだったので、言葉の違いや文化の違いに対して不安はあったんですけど、自分の音楽を聴いて待っているファンの方がいるという事で、期待もありました。6月は中国で行われた「A3 CHAMPIONS CUP 2007」オープニング・イベントや台湾で開催された「金曲奨」に出演したり、9月は韓国の国際文化産業交流財団が主催するイベント「2007・アジアソング・フェスティバル」にも出演しました。

●届いたファンレターというのは、中国語で書かれていたんですか?
倉木:手紙はちゃんと日本語で書かれていて、所々言葉が間違っている部分もあったんですけど、それだけ一生懸命書いてくれているのが伝わってきて、すごく嬉しく思いました。

●実際にそういったファンの方が待って下さっている国を訪れてどうでしたか?
倉木:アジアで活動するにあたって、最初に中国語を習ったんですけど、言葉の伝わり方というか発音がすごく難しかったですね。でもいざ現地に着いて中国語で喋ったら、ちゃんと通じてワーッとリアクションして下さったので、ちゃんと受け止めてもらえてすごく良かったなと思いました。中国では「Born to be Free」という曲を中国語で歌って届けたんですけど、音楽って言葉の壁を取り払って1つになれるんだなという事をすごく感じて、音楽の素晴らしさを改めて体感しましたね。言葉は通じなくても心は伝わるんだなって。それを実際に感じて感動しました。

●そういった経験が、更に自分の音楽を伝えて行きたいという様な思いに繋がったりしましたか?
倉木:今回はアジアに向けて活動を広げていった中で新たな経験した事で、今までの音楽活動の枠を超えて色々な視点から物事を捉えられる様になってきたし、そういった意味では今後の音楽活動にも大きな影響を与えると思います。

●今回アジアを訪れた時に美味しかった食べ物はありますか?
倉木:台湾のかき氷ですね。氷に練乳がかかっていて、そこにコーンも乗っているもので“サーピン”というんですけど、それがすごく美味しかったです。ほかにも小龍包も食べましたし、パクチーが好きなのでヌードルもよく食べましたね。あと、韓国に行った時に“クムタレ”というお菓子があって、それがすごく美味しかったですね。蜂蜜を練って糸状にしてそれを紡いでキャンディーみたいなお菓子にするんですけど、それは今までに食べた事のない感触でした。口に入れると溶けちゃうんです。それをお店の人が実演で作っているのを見られるんですけど、ソバを伸ばすみたいに蜜の糸をどんどん増やしていくんです。しかもラップみたいな掛け声付きでテンポ良く(笑)。それは衝撃でしたね。この前、台湾に行った時にパン屋さんで“白い天使”という名前の白くてふかふかしたパンを見つけたんです。今回のニュー・シングルの「Silent love 〜open my heart〜」とリンクしている様に思えて、嬉しかったですね。

●現地でファンの方と触れ合う機会もあったと思いますが、そこで驚いた事などはありましたか?
倉木:台湾に着いた時に、空港で大勢のファンの方が歓迎して下さったんですけど、その時はデビューして時間が経っているのにも関わらずここまで熱くメッセージを送ってくれている台湾のファンの方にすごく感激しました。

●現地でも取材があったと思いますが、それはどうでしたか?
倉木:まずは自分の中国語がきちんと伝わっているかが不安でした。自分の思っている事を現地の言葉で伝える事はすごく大切だと思うので、予め練習をして行ったんですけど、インタビュアーさんから“ちゃんと通じています”と言われた時は、本当に嬉しかったですね。

●中国語は四声の発音難しいんですよね。
倉木:そうなんですよ。四声の発音が違うと言葉の意味も変わってしまうので、何度も練習しました。でもまだまだ勉強しないといけないなと思います。「Born to be Free」を中国語で歌う練習をした時に思ったんですけど、中国語って音楽を聴いている様な言葉の流れだなって。外国語を覚える時に歌から入る方がたくさんいらっしゃいますけど、私も中国語の歌を聴いてニュアンスを感じ取ったりして練習していく様にしました。日本語で歌った「Born to be Free」と中国語で歌った「Born to be Free」は聴こえ方も違うし、それがまた素敵だなって。

●現地のファンの方は、倉木さんの曲を日本語で歌っている訳ですが、それを実際に体験してみてどうでしたか?
倉木:とても光栄に思いましたし、すごく感動しました。向こうでファンの方々と「chance for you」を歌ったんですけど、日本語がすごく上手で勉強しているんだなって思いました。“倉木麻衣の音楽で日本語の勉強をした”という方もいらっしゃって、相互作用的に私もみんなに言葉を直接伝えたいから更に勉強しようと思えたので、今後はそういうやり取りが上手く出来ていったらいいなと思います。音楽はただ聴くだけではなく、心で感じて、その人の生活形態まで見出す事が出来るし、気持ちを変えてどんどん前向きにさせる事も出来るので、音楽は欠かせないものだと改めて感じました。

●今回の経験を通して、今後こういう歌を歌っていきたいというものに広がっていきましたか?
倉木:中国で行われた「A3 CHAMPIONS SHIP 2007」のオープニング・イベントや台湾での「金曲奨」、韓国の「アジアソング・フェスティバル」を通して感じたのは、みんなで一体となれる様な楽曲を作りたいという事でした。それで出来上がったのが、今回の両A面のニュー・シングルに収録されている「BE WITH U」という曲です。

●みんなと一体になれる曲というのは、倉木さんの中でどういうイメージがあったんでしょう?
倉木:今までは自分に対してだったり、1人で頑張って行こうという様なメッセージを届けていたんですけど、今回は1人で頑張る事も大切だけど、みんなと一緒に成し遂げていく事が大切じゃないかと思って、それを歌詞に込めました。

●この曲を最初に聴いた時はどんなイメージを持ちましたか?
倉木:軽快なリズムから一体となって前に進んでいく感じが伝わってきました。デモの時はギターだけのシンプルなものだったんですけど、そこから発展させてR&Bとポップ・ロックを融合させたような感じの楽曲に仕上がっています。

●歌詞の中に掛け合いの部分が盛り込まれていますが、これはライヴでお客さんと一緒に歌うという事を意識して書かれたのでしょうか?
倉木:楽曲の持つイメージを広げた所で歌詞を書いていたので、そこまで意識はしていなかったんですけど、出来上がってみたらライヴで一緒に歌える言葉がたくさん詰まっていたという感じです。

●今回の曲は今までの楽曲と比べても歌詞の中に英語がたくさん出てきている様に思いますが、それは何か理由があったのでしょうか?
倉木:サビで伝えたい事を集約させて、それ以外の部分は自分の心の中の葛藤や思いを表現したかったので、それをストレートに日本語にするより英語にして留めておきたいという事もあって、全体のバランスを考えながら書きました。あとは音の響きに気を付けながら書いていきました。

●内側にいる自分と表に向かって進んでいく自分との対話が、歌詞に詰まっているんですね。
倉木:そうですね。自分の心の中の想いをAメロやBメロで表わして、サビではみんなで一緒に作って行こうという様な感じになっています。

●今までの作品では“自分から発信して行く”という部分が強く出ている楽曲が多かったと思うのですが、今回は内側の部分にも触れていると。
倉木:そうですね。自分の中の葛藤や迷いを、今度は1人で考えるんじゃなくてみんなで乗り越えて行こうという、前向きな歌ですね。

●「BE WITH U」というタイトルはすぐに出て来たんですか?
倉木:はい。“あなたと一緒に手を繋いで”という様なタイトルに出来たらなと思っていたので、この言葉に決めました。皆さんにも是非口ずさんで歌ってもらえたらいいなと思います。ポップで明るい感じの曲なのでタイトルの“U”のスマイル文字に例えていて、みんなが笑顔になれる様な楽曲になって欲しいという思いも込めています。

●言葉選びについてはどうでしたか?
倉木:楽曲の持つ感じから膨らませて書いて行くという作業は変わらなかったです。そこに今感じている想いを込めて、前向きにやっていこうという事を書きました。そこで自分の気持ちを高めて、これをアジアでの音楽活動の第1弾シングルとして、今の気持ちをストレートに表現した曲になりました。

●「Silent love 〜open my heart〜」は「BE WITH U」とは違う、ウィンター・ソングになっていますね。
倉木:まず今回、何故両A面にしたかというと、冬の楽曲を作りたいという思いがあったのと、アジアに向けての自分のストレートな気持ちを表現したいという事から、今回はタイプの違う2つ楽曲を収めたいと思って両A面にしました。「Silent love 〜open my heart〜」は、去年発表した「白い雪」とはまた違った感じの暖かいウィンター・ソングを作れたらと思って作った曲です。曲の雰囲気からは雪が舞い降りて来て優しい天使が降りてくるイメージを受けたので、そこから歌詞を膨らませていきました。

●コーラスを重ねた部分では神聖な雰囲気が伝わって来たのですが、そういった事も意識されたのでしょうか?
倉木:冬の暖かい雪を感じる様な音質にしてみたいなと思って、作っていきました。息がふわーっと出ている様な感じの白い雪というか……。今年の冬の思い出とリンクさせて聴いてもらえたらなと嬉しいです。

●“Silent love”という言葉も印象的だったのですが、これはどういった所から生まれたのでしょうか?
倉木:これはふとした日常生活の中で生まれたものです。“Silent love”という言葉の響きが好きで、雰囲気に合う曲があったらこの言葉をタイトルに付けてみたいなと思っていたんです。それで今回この楽曲に巡り会った時にこの言葉とピッタリだなと思ったので「Silent love 〜open my heart〜」と付けました。“Silent love”は“静かな愛”とか“聖なる愛”という意味に繋がるんですけど、それは内に秘めた情熱とか相手に対する想いをすごく感じられるんじゃないかって……。静かなだけに深い意味が込められるかなと思って、この言葉を使おうと思いました。

●倉木さんは今までの作品でも“愛”を大切にして歌詞に込めてきていると思うんですけど、そういう意味でも「Silent love 〜open my heart〜」は愛の姿を別の側面から描いたものになりますね。
倉木:ストレートに表現するのではなくて、問い掛けていくうちに自分で気付いた愛というもの伝えられたらと思って歌詞にしました。この歌詞に出てくる主人公は、相手に対する想いを復活させて、優しくなれたというストーリーになっています。“やっと舞い降りたangel”という部分では、自分が気付いた愛や優しい気持ちが戻って来たと言う意味でもあるんです。

●“エンジェル”という言葉には、別の意味も含まれているんですね。
倉木:そうですね。エンジェルというと、天使でふわっとして可愛いというイメージがあると思うんですけど、ここでは“ピュアな気持ち”や“優しい想い”を表わしています。

●倉木さん自身は“Silent love”というものを感じた事はありますか?
倉木:例えば辛い事があった時や大変な時期に自分を見失う事ってあると思うんです。でも時間を置いて色々と経験して行く中でふと自分を見つめ直す機会があった時、前向きな気持ちが自分に戻ってきたりする事はあります。色々な事を思い返して“あの時はこうだったけど……”と気付いた時点で自分が成長していけるんじゃないかとは思います。

●倉木さんがそう思えるようになったのは、最近ですか?
倉木:そうですね。それは今までの経験はもちろん、支えて下さっているファンの皆さんやスタッフの方々を通して感じる事が多いです。人と出会って接して行く事で、今までの自分では気付かなかった事が分かる事ってありますよね。

●例えばそれはどんな事ですか?
倉木:例えば自分で音楽を作り上げたいと思った時に、その時は良いと思っていたけど、後になってみんなはこう言っていたけど本当は違うんだなという事が分かった時とか。今回の歌詞のストーリーでは、ピュアな気持ちに返って自分が優しくなれた時に相手に想いを伝えていこうというものです。

※この続きは本誌にて……。


倉木麻衣

両A面・New Single
「Silent love 〜open my heart〜
/BE WITH U」

2007.11.28 Release


NORTHERN MUSIC
【初回限定盤】VNCM-6002 ¥1,260(tax in)
※「Feel fine! 〜acoustic live ver.〜」DVD付き
【通常盤】VNCM-6003 ¥1,050(tax in)