美元智衣

MINI ALBUM
『I miss you』

2009.4.8 On Sale!!


昨年3月のデビューから約1年。シングル2枚とミニ・アルバム、配信楽曲を発表する中で、制作と並行して定期的なライヴを行ってきたシンガー・ソングライター美元智衣が、ミニ・アルバム『I miss you』をリリースする。女性的な柔らかいヴォーカルで切々と歌い上げる今作は、定評のあるバラードや心にそっと寄り添う様なミディアム・チューンを中心に6曲(+ボーナス・トラック1曲)を収録。春という季節の中で不安や葛藤の中でゆっくりと歩み出す事の大事さを教えてくれる今作について彼女に話を聞いてみた。

●昨年の3月にデビューしてから約1年が経ちましたが、振り返ってみていかがですか?
美元智衣(以下美元):正直まだ実感がないんです。ライヴやレコーディング等が入っているとあっという間に1、2ヶ月が過ぎ去ってしまうんですけど、次の制作に入るまでの期間はすごく長く感じるし……。時が過ぎる早さに緩急はあるんですけど、今までの人生で1番頑張った1年かなって思います。

●定期的にライヴも行っていますが、以前と今とではライヴに対する気持ちや姿勢も変わってきていますか?
美元:ライヴをする時の緊張の種類が違いますね。最初の頃は“上手く歌わないと”とか、“歌詞を間違えたりしないかな”とか、MCでも緊張していたんですけど、今は以前よりも伝えたい事をはっきり伝えられる様になりました。余分な部分が省かれたというか……、“自分が作った音楽に対して素直に歌えるか”とか、“伝えられるか”という意味での緊張感に変わりました。昨年[渋谷パラダイス](渋谷駅前で行われた日替わりで5組のアーティストが参加したフリー・ライヴ)に参加してハチ公前で歌った時も、歌い始めて自分の世界に入ったらいかに音楽に対して自分が真っ直ぐに向き合えるかという感覚でした。そこが1年の中で変わった部分ですね。

●自分の作りたい音楽の形も具体的に見えてきていますか?
美元:今までも自分のありのままの気持ちを自然体で書いていたんですけど、それだけだと正直ちょっとマイナスな歌が多い所もあったので、せっかく皆に聴いてもらえるんだし、聴いてくれた人に元気を持ってもらえる曲を書きたいと思う様になりました。以前は聴いてもらって元気が出ればいいと思っていたんですけど、元気を出してもらう為に曲を書きたいとか、聴いた人が幸せになる歌を書きたいと今は思っているので、今までのスタイルの部分とそういった部分を織り交ぜた歌を今後は作っていきたいですね。

●今作に初収録となる曲に付いてお話を伺っていきたいと思うんですけど、全体的に出会いや別れについて書かれた曲が多く収録されていますね。今作のコンセプトは?
美元:自分の中での裏テーマは“Slow Life”です。“東京には何かがあるから(「トーキョー」)”や“がんばってたらご褒美が目の前に きっと(「群青なる想い」)”といった言葉の表現はあるんですけど、春だから走ろうではなくて、基本は自分に戻ってゆっくりゆっくり歩いて行こうという所が芯になっています。“Slow Life”という器の上に「トーキョー」というリンゴがあって、「Miss You」というオレンジがあってというイメージです。

● 「トーキョー」は、piano ver.になっていますね。
美元:もともとはどの曲もほとんどピアノとヴォーカルだけで作るので、それがアレンジによってどれだけ肉付けされていくか、という事になるんですけど、今回のアルバム・ヴァージョンの「トーキョー」はまさに元のイメージにより近いです。でも、今回は他の曲でも弦楽カルテットを入れる事になっていたので、アルバム『I miss you』のアコースティック・ヴァージョンとしての共通性を出したかった事と、スタジオで即興で聴いた“もし「トーキョー」にカルテットを入れたら?”ヴァージョンがすごく良かったので、聴いた瞬間に今回のカルテット・ヴァージョンで行く事に決まりました。シングル・カットとはまた一味違う「トーキョー」を感じてもらえたら嬉しいです。

●「あの日に戻りたかっただけ」はジャジーな大人の雰囲気がある曲ですね。
美元:自分の中ではボサノヴァみたいな曲調のものを作りたいと思っていて、鍵盤でリズムを鳴らしている時にメロディが浮かんでいました。そこにイメージ的に書きたかった詞を併せて作っていったという感じです。

●終わってしまった恋への想いがリアルに綴られていますが、歌詞を書かれたのは最近ですか?
美元:これは曲が出来た時点では、歌詞は付いていなかったんですけど、昔の記憶に残っているものを……例えば10年越し位の勢いで引っ張り出して書いてみました。

●「おぼろ月」は静かな所で1人で聴き入りたい切ない曲ですが、この曲はいつ頃作られた曲ですか?
美元:この曲は最終的にアルバムに入れる曲を決める前の週に書いたので、本当に最近作った曲です。この詞は日記から引っ張ってきたんですけど、月に関する曲を書きたいと思っていたので、そこに具体的にメロディを付けて作っていきました。

●色々な月がある中で、“おぼろ月”にしたのは何かこだわりがあったんですか?
美元:月というと秋のイメージがあると思うんですけど、春をイメージしたら“おぼろ月”だったんです。この歌詞に登場する彼の存在自体を月に例えているんですけど、手を伸ばしても届かないという気持ちの朧げという部分も含んで、くっきりした月ではなく微かに光る月を“おぼろ月”で表現しました。

●音数が少なくてシンプルなアレンジですね。
美元:オリジナルの段階ではワルツの様な速いテンポだったので、出来上がったアレンジを聴いた時は意表をつかれました。でも、言葉数が少ない歌詞やキラキラした雰囲気が反映されていて、私がイメージするおぼろ月の世界観にぴったりだったので今は気に入っています。音と音の空間だったり、ストリングスの音色が月の幻想的なイメージを連想させてくれている気がします。

※この続きは誌面にて!!


美元智衣

MINI ALBUM
「I miss you」  

2009.4.8 RELEASE


ZAIN RECORDS
ZACL-9033 ¥1,890(tax in)